一文を短くする
文章は短くした方が良いです。人に伝えるための文章は、つい長くしてしまいがちです。伝えたいことはたくさんあるから、全部入れてしまいたくなります。
そして日本語はその気になればいくらでも長くすることができます。しかし読み手のことを考えるならば出来るだけ短くして、複数の文で伝えるよう心がけたほうが良いです。
読み手の側からすると、長い文章は頭の中に入ってこないからです。長い文章だと情報が多いので、どの情報がいいたいのか、何をいいたいのか追いきれません。情報が多すぎると頭の中に留めておくことが出来なくなります。文章が頭の中に留まらないということは、相手に伝わらないまま終わってしまうということです。人に伝えるための文章としては、長い文章に詰め込むよりも、短文を続けて行く形の方が効果的です。
そもそも長い文章には、要素が多く含まれています。
日本語は自由度の高い言語であり、接続も簡単です。
〇〇なので、××ということを踏まえ、というように接続していけば、いくらでも長い文章を作ることができます。しかし認知心理学によれば、人間の頭は短期的には7±2個の情報を20s蓄えるのが限界だそうです。つまり要素が9個を上回るような文章は、短期的にも頭の中に入ってこないのです。読み手にひとまず記憶してもらうためには、1文の要素を9個以下にする必要があります。
また長い文章だと、その文章で伝えたいことが何かを見失ってしまいます。例え要素が9個以内に収まっていても、その中に主語や動詞が複数含まれていたらどうでしょうか。それぞれの主語動詞の主従関係を読み取らなければ、その文のポイントが分かりません。読み手に要素の強弱を読み取ってください、というのは書き手側の怠慢です。要素の強弱が分から無くても読み取れる文章の方が読み手は嬉しいのです。読み手のことを考え、複数の主語動詞があるような文章は、複数の文章に分けるようにしましょう。
人に伝わりやすい文章にするため、一文を短くするよう心がけましょう。
書き手側の心理で言えば、伝えたいことを全てまとめてしまいたいというのは分かります。しかし、一文にまとめられた情報というのは、要素が多すぎる、つながりが分からないという問題があります。問題のある長文を読んで貰おうとしても、読み手には伝わらないで終わってしまいます。
書く側は読み手のことを考えて文章を作りましょう。相手が読みやすいよう、要素が少なく、複数の主語動詞が含まれていないような、短い文章にするよう心がけることが大事です。